第二講:装備比較(Ⅰ)
1. はじめに
本講では装備Aと装備Bの2つを比較してどちらがよりダメージを出せるかの考え方の一例を紹介します。今回はエルピス武器と亜空武器を例に考えてみます。 いずれも装備するだけでクリティカル率+100%を満たせる優秀な武器ですが、エルピスの下克上効果は敵レベルによって変動するため、どちらがダメージを出せるのか、というのはよくある疑問です。 状況設定が簡単なところから始めて、その点を深掘りしていきます。
2.実測による比較
2.1. 実測例
まず【P】グラスタの装備状況による比較を行ってみます。
例として、Lv80のホークドローン(後列の敵2体)にアルドのスキル「ブレイズソード」を使用し、次の3条件で比較します。
- 【条件1】【P】グラスタ無し
- 【条件2】HP最大時強化【P】×1
- 【条件3】HP最大時強化【P】×2
アルドは武器以外何も装備していません。アルマはタンク役、ギルドナは【P】グラスタ枠として編成し、バディは未編成です。環境効果はHPMP回復なのでダメージには関係しません。
したがって、ダメージに寄与するのは武器と【P】グラスタのみの状況です。
ダメージには乱数が絡みますが、2体いるので平均して計測します。
【条件1】【P】グラスタ無し
【条件2】HP最大時強化【P】×1
【条件3】HP最大時強化×2
以上より、HP最大時強化の個数によってダメージの大小が逆転し得ることがわかります。
2.2. 外部補正
2.1の結果を計算式から考えてみます。
エルピスと亜空は厳密には武器攻撃力と武器魔力の値が異なりますが、(複雑化してしまうため)ここでは等しいとして基礎ダメージが同じ値であるとします。
エルピスのダメージUPは敵Lv80の場合、\( \frac{80^2}{320}\) = 20% になります。
したがって、各装備の効果量は次のようになります。
- エルピスの下克上:+20%
- 亜空武器の全属性攻撃UP:+30%
- HP最大時強化:1個につき+30%
また、装備のHP条件強化と属性攻撃UPは互いに加算関係であること、装備の下克上効果とHP条件強化・属性攻撃UPは互いに乗算関係であることを念頭においてください。
外部補正の合計を計算することで基礎ダメージが何倍されているかを確認します。
【条件1】Pグラスタ無し
1.2倍と1.3倍の比較により、亜空が有利
【条件2】HP最大時強化【P】×1
1.56倍と1.6倍の比較により、亜空が有利
【条件3】HP最大時強化×2
1.92倍と1.9倍の比較により、エルピスが有利
実測の上下関係と同様の結果が得られていることが確認できます。
ここで、属性攻撃UP・HP条件強化【P】の合計値を \(x\) と置いてみます。すると、外部補正の合計値はそれぞれ以下の式で表されます。
- エルピス:\(1.2(1+x)\)
- 亜空:\(1.3+x\)
グラフを描くと以下のようになります。
2直線の交点は \(x=0.5\)、すなわち50%を境に亜空とエルピスの上下関係が逆転していることがグラフより確認できます。
HP最大強化1個(30%)だと亜空が高いがHP最大強化2個(60%)だとエルピスが高い、という結果とも一致しています。
3. Lvの変更
2章の例ではLv80に固定していましたが、レベルを変更した場合にグラフがどうなるかも見てみましょう。Lv60~100(80を除く)の範囲で10レベルごとに並べてみます。
各レベルにおけるエルピスの式および交点は図中に示しています。
敵のレベルが上がるごとに交点は \(x=0\) に近づいています。
Lv100の場合下克上は+30%を超え、常にエルピスのグラフが亜空の上側に来ています。つまり【P】グラスタを装備していようがいまいが常にエルピスが有利、という状況です。
逆に、敵のレベルが低いほどエルピスが上回るために要求される属性攻撃UP・HP条件強化の効果量は高いと言えます。特にLv60の場合、+167%以上も積む必要があります。 実戦において、ここまでの効果量を積むケースはほとんどないと思います。(例えばHP最大時強化×2、属性攻撃UP×1、全能の力×3を装備しても合計+165%で、167%に届きません。)
となると、亜空を使うほうが簡単にダメージを出しやすいです。
4. 心技一体の影響
3章までは亜空武器は全属性攻撃UPのみにスポットを当てていました。ただ、忘れてはならないのが亜空の「MP60UP」という効果。アナデンには精神統一/心技一体(MP最大値に応じてダメージUP)の外部補正があり、MPUPはこの効果量に影響してきます。2~3章で【P】グラスタによるダメージの大小を示してきましたが、これはあくまで他の外部補正の影響を省いた場合の話です。
2章の【条件3】HP最大時強化×2をベースにし、心技一体の影響を含めるとどうなるかを確認してみます。ここでは、シオン(ES)のスキル「雲外蒼天」でアルドに心技一体を付与します。
亜空が優位となっていることが確認できます。外部補正を計算してみましょう。
アルドの最大MPは678、亜空を装備した場合738となります。心技一体の効果量は最大MPに0.16を掛けた値となるため、それぞれ以下のようになります。
- 亜空装備時:\(0.16 \times 738 = 118.08\%\)
- エルピス装備時:\(0.16 \times 678 = 108.48\%\)
したがって、外部補正の合計は
- 亜空装備時:\(1.9 \times 2.1808 = 4.1435\)倍
- エルピス装備時:\(1.2 \times 1.6 \times 2.0848 = 4.0028\)倍
計算結果でも亜空が高いことが確認でき、MP60UPが有利に働いていることがわかります。
実際の戦闘ではMPUP/DOWNのバフデバフや武器以外の装備状況によって、このダメージの大小関係はさらに変化していきます。
5. まとめ
本講ではできるだけ簡略化するために考慮する外部補正の数を絞りましたが、それでもダメージの上下を考えるのが如何に難しいかが実感できると思います。
単に2つの武器のどちらが有利かを考えるだけでも、武器以外の装備構成、戦闘中に展開するバフデバフ等々、様々な条件設定をしてはじめて正確な比較検討をすることができます。
少々長くなりましたので、続きは別の機会に取り上げます。
以上です。